肉体と心の関係

「心の哲学」で重点が置かれているのが、肉体と心の関係の問題です。
一元論と二元論という考え方があるというのは、先に説明しましたが、今日主流となっているのは、一元論の考え方です。
ここでは、一元論の考え方に基づいた、肉体と心の関係についてご説明しましょう。

観念論的一元論

別名唯心論とも呼ばれ、現在においては主流とは言えない考え方です。
唯一の絶対的な存在の実体は精神的なものだとする考え方で、「心」は物質的存在を存在たらしめる要因であるとするものです。
古くはソクラテスやプラトンがこの考え方を提唱し、近代ではヘーゲルやライプニッツ、カントらによって展開されてきました。
この考え方は、理想主義であるとして批判を受け、現代は退けられています。

物理主義的一元論

20世紀になると、科学の進歩から、物理主義的な一元論が展開されるようになってきました。
この物理主義的一元論は、「行動主義」「機能主義」「同一説」「物理主義」「唯物論」「自然主義」など、ざまざまな主張を生み出してきました。
これらの議論の中で、最近よく持ちだされる概念に「クオリア」というものがあります。
「クオリア」というのは、簡単に言ってしまえば「感じ」のことであり、外的世界からうける人間の意識的な経験のことです。
たとえば、「若葉のすがすがしい感じ」「ジェットコースターに乗った時のドキドキする感じ」などといったものです。
物理や化学の研究を突き詰めて行っても、この「感じ」というあいまいな部分がどうして「心」に感じられるのかというのは、まだわかっていないのです。
「心の哲学」の中では、この「クオリア」をどう扱うかが最近の議論の中心となっています。




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